有料出会いに潜む悪質なサクラ


有料出会いに潜む悪質なサクラブログ:10 4 2015


「背中を洗ってくれないか」
と、お父さんに言われた。
このお父さんというのは、実は家内のお父さんである。

オレは一瞬戸惑ったが、
「え?!あっ!はいっ」
と言いながらタオルを構え、お父さんの背中にあてがった。

初めてお父さんの背中というものに触れた。
なんか丸っこくて大きくて、何だかゴツゴツしている。

上手に洗ってあげようと思えば思うほどうまくいかない。
タオルがねじれてしまう…

今度はお父さんがオレの背中を洗ってくれるらしい。
オレは静かにお父さんに背を向ける。

お父さんは、なんていうか、力加減を知らない。
すごく力強くて、体についている必要なものまで
洗い流されてしまいそうな感じ。

思わずオレは、身をよじってしまった。
「すまん」お父さんは申し訳なさそうに、
「息子の背中を洗うのは難しいな」と言った…

オレは物心のついたころから、
女手ひとつで育てられてきた。

我が家にお父さんがいないことを悲しがらなかったのは、
お母さんの育てかたが上手だったからだと思う。
溢れんばかりの愛を注いでくれたので、
オレはとても幸せだった。

とは言え
お父さんのことを思わなかった訳ではない。

ただ、そのときオレがイメージするものは
どれも好感の持てないものばかりだった。

無口!ガンコ!厳しい!
正直、「お父さんは怖い」という印象しかなかった。

そんなオレに父ができたのは、
オレが結婚をしたからだ。

家内のお父さんは、オレにとって不思議な存在だった。
格好なんてつけない。不器用だけどまっすぐ。褒められると照れ隠しする。
大きなお世話なことばかりする…

オレは、お父さんというものに対する印象が
まるっきり変わった。